「実際見る機会はない」と書いた私が、試着してしまった話。|パネライ「The Depth of Time」展示会レポート

パネライ

2026.05.15 | カテゴリ:パネライ


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パネライ公式|The Depth of Time Exhibition in Japan


「発表されたばかりの新作は来てないだろ」——高をくくっていた

伊勢丹の時計展示会、ブレゲ展をはじめ何回か行ったことがある。雰囲気はだいたいわかってる。

歴代コレクションと現行モデルが並んで、ブランドの歴史を辿れるやつ。そういう展示だろうと思いながら新宿伊勢丹に向かった。

ひとつだけ高をくくっていたことがある。

「発表されたばかりの新作は、さすがに来てないだろ。」


いきなり新作がいた。

現行モデルのショーケースから見始めた、その瞬間だ。

PAM01631がいた。

W&W Geneva 2026で発表されたばかりの、あの31日間パワーリザーブのやつ。ブティック限定200本のやつ。先日このブログで「実際に見る機会はまずないだろう」と書いた、まさにその時計が、目の前にあった。

食い入るように眺めていたら、スタッフさんに声をかけられた。

「試着もできますよ?」

えっ?マジっすか!?

自分でも少し大きめの声が出たと思う。


60mmケースという暴力

少し遡る。アーカイブ展示のコーナーで、度肝を抜かれたものがあった。

GPF 2/56。1956年製、60mm。エジプト海軍に納入されていた時計だ。

ケース径60mm。「乗せられる人、いるの?」というレベルの大きさだ。文字で書いても伝わりにくいが、腕時計というよりもはや装備に近い。

ちなみにGPF 2/56は、現代のルミノール全モデルに共通するリュウズプロテクターが初めて採用されたモデルでもある。今見ているすべてのルミノールのあの構造は、1956年のこの時計から始まった。

面白かったのはその後で。60mmを目に焼き付けてからショーケースを移動すると、47mmのケースが小さく見えた

これはパネライやウブロを見るときによく起きる現象と同じだ——42mm以上のケースサイズが主流のブランドの時計を眺めていると40mmや42mmが「小さい」と感じてくる、あの錯覚。でも今回は60mmを見た後だから、47mmという「一般的には超巨大なサイズ」にまで同じ魔法がかかった。ケースサイズの基準値が、どこかに行ってしまった。


文字盤の話も、面白かった

壁に6枚の文字盤が並んでいるコーナーがあった。

現代のパネライはサンドイッチ文字盤——2枚の文字盤を重ねて、夜光を挟み込む構造だ。でも昔は違った。文字盤に直接数字や目盛りを彫り込んで、そこに夜光塗料を流し込んでいた。

展示されている文字盤を見ると、その作り方が一目でわかる。厚みがある。金属の質感がそのまま出ている。彫った溝に塗料が乗っている重厚感が、写真で見ても伝わってくる。

現行のサンドイッチ構造は視認性や安全性(放射性塗料を使わないため)で進化しているけど、昔の文字盤には昔の文字盤にしかない雰囲気がある。


両手ごつすぎない?

展示の中に、1950年代のオイルコンパスがあった。大きくて丸くて、存在感が異常。

水深計も展示されていた。1960年代以降のダイバー装備として使われていたもので、水中での深度を測定するための計器だ。

普段「パネライ」と聞くと時計ブランドとしてのイメージが先に来る。でもオイルコンパスや水深計を目の前にすると、もともとは海軍に精密機器を供給していたサプライヤーだったという歴史的なバックボーンを、頭ではなく肌で感じることができる。

そしてレフティのパネライも展示されていた(写真撮り忘れた、完全にミス)。竜頭が左側についている、左利き向けのモデルだ。

スタッフさんの説明によると、左手にオイルコンパスを巻いて、右手にレフティのパネライをつける——そういう使い方を想定しているらしい。

両手ごつすぎない?


「えっ?マジっすか!?」の続き

そして冒頭に戻る。

PAM01631を腕に乗せてもらった。重厚感がある。当たり前だけど18Kローズゴールドのケースだから、重みがある。スケルトンダイヤルからムーブメントが覗いていて、メカメカしさが半端ない。「時計を見ている」というより「機械を見ている」感覚に近かった。

スタッフさんに機構の説明もしてもらった

ポラライズドデイト——という機構がある。通常、デイトディスクの数字は半透明になっていて外からは見えない。でも3時位置の日付表示の窓を通してのみ、数字がくっきりと浮かび上がる仕組みになっているらしい。

少し見えづらいかもしれないですが画像の5分位置のインデックのところに薄っすらと7の文字が見える、デイトディスクの数字は肉眼ではほぼ見えないような作りになっている。

ただ表示するだけじゃなく、「見える/見えない」を構造で制御している。こういう話を聞くと、時計の奥深さをまた実感する。


拝啓、「実際見る機会はまずない」と書いた私へ

先日、PAM01631の記事にこう書いた。

「実物を見ることはまずないだろう。でも発表を読むだけで十分に楽しかった。」

撤回します。新宿伊勢丹にありました。


カテゴリ:パネライ / タグ:展示会・PAM01631・ルミノール31ジョルニ・伊勢丹・The Depth of Time

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